置換計画

筆名「石丸公竹斎」の短歌作品を掲載

補完計画→置換計画 2022年前期

第1章 1月1日より1月31日 四十三首

フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ海底火山噴火、太平洋沿岸に津波到達し漁船等に被害だが従来の気象常識で考えにくい気象庁。新型コロナオミクロン株猛威(第六派)。新規感染者数84,934名/日(29日)が全国最多、618名/日(27日)が県内最多。新潟を含む34都道府県が蔓延防止適応地域に。職場フードコートは午後8時閉店。大相撲初場所関脇御嶽海優勝、場所後に大関に。新潟市周辺新年早々寒波で冷え冷え。職場から帰宅途中に凍った地面で滑り転倒、臀部に強烈な打撲10日後まだ痛む。PCスパムメールに騙されパスワード入力クリック寸前詐欺被害寸前事態をまねく、注意せねば。

諸君、温暖化が恋しくないかドッキリカメラみたいな地吹雪

屋上の人に呼ばれた「燃えぬのか燃えずにしまうか」試されていたか

尖っている方が偉い昔からの決まりでと言ってやった工場長に

ここナミブ砂漠でないんじゃないか狐がいない、爪を見たまえ

慌て床屋の大役いただき光栄もっと必死で困らせたくって

少年老い易くたぶん非正規ブランド品みたいなレッスルしようか

これは汚れでなくあの人の足跡、重いものを元気にあの人は

嘘つきがたくさん多目的バスに乗り「言い訳が通じぬ」それも嘘

ちっちゃなゲジゲジ見つけ逃したつられてわたしも走り汚れた

「瓶はポケットに」小声で制し大勢のカメレオン通り過ぎるを待つ

隠れてないでブラザー怯えさせて、寒き夜に打ちひしがれたし

遠吠えも先手必勝わたくしは叶わぬほどの高みでレスキュー

たどたどしく祭り終えやっぱりぼくら乗り遅れもう後は見えぬ

家政婦は御嶽海そらからお金ふる夢見たとたんに寄り切られ

力士たちは草原を去り島は違う方角に、伝記作家がみている

ブロッコリー捕物帖なぜ犯人はみどりの覆面お味見してみて

食べて寝て悩み事相談ほぼ一緒じゃん、個人戦勝ち抜きにゆく

悪魔を憐れむ小唄の師匠が劣勢、ひとり戻れぬ悪夢からまり

奥さま朗報お楽しみなデパ地下散策あの人も一人で来るという

あの方が迎えてくれて皆でポットのお茶を飲む、ぼくら優勢で

いろんな人の悲しみを摘み発酵さす、部外秘よ摘み取り方は

「こんにちは静かな敵です命狙われてますよ」家族に逢いたい

関係者専用ゲートで一休さんが禅問答、今度は右手で

だけどパパは冷静なんです果物選びも言葉の力ふるう時にも

シネマはS席で、用心棒にも同じ映画をすこし離れて

寝転んで嫌いな動物のまねをしダーウィンの馬鹿!恥ずかしい朝に

「これでよかったあの人も反省をする」夜半に帰宅の父の眠たげ

きみ起きなさい墓場でイソップが昔話きかせる、無料でないが

えと、そもそもきみも僕も宇宙誕生由来の元素だし愉快でないし

樹木葬にしてくれないか君らとは別に、木霊にはならぬから

間違えている人を諭さねば穏やかにと静かの海から聞こえて

「嘘ですみんな嘘」向こうに着くまであの人小さく囁き続ける

嫌いなあいつも炊き込みご飯ぼくは誰に勝てるのか少し暖か

「お伽噺でね、強欲な人はどうなるの?」見えぬ幟立ててると

いないんだぼく食物連鎖さけて戸惑う、怒っているビル・ゲイツ

青年の主張みな聞かぬふり良い子はお休み、とびきり果実は甘く

肉屋繁盛し愛犬ショコラ旅に出る、悪い噂になる前に

依頼人は小学6年実技が苦手OKアンニュイ眠たげでよい

こんな窮地にビスケットかよ力尽きちゃう、鳩よ平和でも恥じ

「だって君は終わった人だし立場もないし」黙々と努力一人で

トンガ夫人肝を冷やすがフカフカで悪い気はせぬ、姫にまかせて

冒険に出るカタクチイワシ雑魚で悪いか!私物検査で引っ掛かり

言われるまま櫓を漕ぎ知らぬ間にお金がたくさん、僕らの地図帳

次に来る人に乗り換え駅を聞く一緒に行けぬなら其処で待つ

 

第2章 2月1日より28日   五十六首

新型コロナ、依然猛威。全国で日々5万人新潟県で500人が感染。職場でも濃厚接触で自宅待機が2名。北京冬季五輪開催、高木菜那が2度の転倒。ロシアがウクライナに侵攻、市街戦、今後が憂慮。職場責任者が交代、現在青山店副責任者の女性が責任者業務に慣れるまで応援で青山店に出向、急な環境の変化で精神的疲労。21日、母が自宅で転倒、大腿骨骨折、救急車を呼び新潟南病院に搬送、入院。24日に手術成功。コロナ禍で見舞い面会ができぬがリモート面会を実現。水原紫苑の作歌意欲が旺盛。ふらんす堂という書肆のホームページで日々新作短歌を一首披露。また月刊「短歌研究」123月号に各30首詠を掲載。嬉しいが、作品の質に疑問あり。とはいえわたしも本歌取りに励み一日二首の発表に挑戦中。

約束をしてここにいる、枯れたはずの花で気を病む人なぐさめるため

もしやレオナルド別の世界で戦争ならば伝書鳩は来るかと

新しい生き方を僕たちは選んだ、嬉しやだれも違う血の色

宇宙まで連れていって「うん」そして天罰、通り過ぎてからうろたえ

きみたちは暖かく思い通りでなくとも笑みて、あの人を赦す

もうじきスポーツマンが来る誰かを探しに、どうするんだ子どもら

不覚にも船はパーティで参加賞、珊瑚とる人の本音語れず

レモネードのあざとさ夜に来た人を誰にも知らせず父と干潟へ

壊したこと忘れ明日の準備す出番のない人専用プールで

気難しげな洗濯機を使いこなし川を渡る、絡まらぬよう

ストップ・ザ・ミュージック昔の恋の不始末脱ぎ捨て路地で着替えを

いろんな人を遠くで眺め格付けをするわたしの昼食が謙虚だ

コインパークであの人ズルです、要領のよい人にその花を見せ

可哀そうな鮫の生涯気がかりならハンペン喰うな、歌は自在よ

見慣れぬ人専用Gメンが急く、違反者に伝えねば「王は元気」と

「油断すると虫がはびこる」オリンピックという名の看護婦に諭され

十九万人が十九万円以下で暮らす、寒い日は土鍋で

食べきれぬ農産物にもっともっと囲まれ死にたい、来年の僕は

返事がこないあの人へ、傷つくのは一緒こわいもの数えきれぬし

お爺さんの世界へようこそ応援よろしくといい変化球投げ

飛べ君よ、とても破れやすい意地悪な空へ火盗蛾がともに飛ぶよ

「はじめまして」暮らしの中でどうやら百万年もひとつ工夫を

まだ隠れている戦犯を捜す日々です充実してます悔しいですか?

数えきれぬさよならがあり僕たちも共犯者だし必死で拾って

僕たちは悪い子すんでのところで奴に見付かり、濃い目の紅茶で

人は躓くもの、遊びに行くのかこんな夜にだったら梯子を

エスカレーター式死刑台です、見よ等間隔でたった五分で

うさぎ飼う人きっと来る知らぬ間に来る、無論誰の不作為でなく

音楽がある、お前好みのいかれたパンクを高い場所で誰かと

町工場ブルースわき目もふらず箱に詰めたい一人でおまえを

戦闘的な人生なり選り好みもあり欲しいのは肋骨きみのが

みな私をあてにしていた子らなのに見ぬふり、月曜に後回し

飛びなさいメリー・ポピンズ、母さんは射撃の名手だったら歌えば

わたしを好きになれぬかきみ家来のくせに、まだ知られぬ鍵を見せ

待っていても花蜂は来ぬ、恥じらいのバームクーヘン誰も知らざる

シマウマが仕返しに来る数えきれぬ憤懣があるというがポニーよ

手伝ってほしいかもっと高い位置で星を見たいか、大胆なきみ

良き人が我慢強いと限らず良ききみと此処をたかぶりゆけるか

ここ誰の墓所か知らず水鳥が遊び…怖い顔の人が餌まく

山の名の由来は古い詩人の故事にちなむ、鴉に喰われたらし

真っ暗な愛です分かるね暗いままで弦楽器の音色たよりに

特別な自転車レース要らぬもの捨て去り走る夕日に向かいて

わたしには弟子がいる、だが解けぬだろう彼らではてんでばらばら怖がり

明日の朝の僕の分がない、ないのなら死ぬのかな僕みなが小声だ

ポパイ助けて「なんてこったいオリーブ」鏡が見ているきみのわがまま

去年湯河原温泉で飲んだファンタグレープ上出来なにせもので

目の戦争、目だけで悪いか全てを見たがり驚き方がやんちゃで

間違った旗が何本もある、取り戻すには明日もう一度あそこまで

いつ来られるか聖マカデミア、買い物籠持ち杖つきかっこ悪いが

きっとドバイでは難問だらけ、拝んでいるのだずっと晴れの日中は

あの日からずっと目障りな雲そのせいで幾つか道は閉ざされ

おまえは石油臭いんだね「そうです母さん」いっぱい涙ながして

正しい行い、つまらぬ人とも快活に話しあとでうがいを

ロンドン橋落ちてからどんどん不況に、方角のよい店で買い物を

もっと褒めてくださいぼくは気高い、軍艦マーチ軍艦マーチで

「歩みののろいあなたたちが大嫌い」聞こえないのか霧は晴れぬか

 

第3章 3月1日より31日 六十二首

ロシア・ウクライナ間の戦争状態、1ヶ月を経て膠着状態。プーチンが血迷い核兵器など使用するのではと心配。コロナウィルス関連の蔓延防止措置は月半ばで全面解除、ただし新規患者の数は高止まり。今後はウィズコロナの時代に移行するのだろうが、高齢のわたしは罹りたくないもの。大腿骨骨折の母は入院中の病院で夜間の不穏を看護師に見咎められ、3週間で退院。帰宅当初は認知力に疑問があったが徐々に恢復(と思いたい)。職場関連、4月から本籍店、出向店のどちらにも通わなくてはならず、ままならぬ。木内くんが桜の咲く頃に来県の予定。

鳩たちがわるさ重ねて、ああもう全部消そうか見なくてよいなら

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次の人次の人とみな順に地下室へ行く、不注意があったので

仔犬の名をつけてあげようもう少し静かな場所で星の不在時に

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わたしたちはくっつきすぎたあたたか過ぎる、戻ってこないか人よ

変身をこじらせ必死に尻拭い、われらいつでも結合できずに

「毒ですこれ帰れなくなる」友がみな敵にみえた動物病院

「唸り声しか聞こえないこんな星だし」宇宙飛行士ドリル片手に

ごきげんよう陽気な虫よきみ実は弱虫「さあ?」悔しき雨音

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のび太さんのせい仲間は来ない、隠れなきゃ工事中の恋人に似せ

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断固たる歯列矯正いつまで悩み立ち尽くす、嫌いになるべく

そこのけスラブ魂が通る「悲愴」が流れ、時間稼ぎにラジオを

旨味が足りず重金属で味付け、怒ったねあなた葱振りまわす

「快活な後裔たちよわたしは苦しい」あら大胆な恐竜が吠え

上手くゆかぬのはクレージーな海鳴りのせい、夜は更に声高に

気にせずに、万遍なくクリーム塗りたくるあの人わたしの恩師で

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公害元年ぼくは生まれた、驚くなよ斬新な首振り運動

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吠えても無駄、何もないところへ連れられるだけいま東方的で

「手を出しちゃ駄目、不発弾かも」マーガレット戦線みなつかまり立ちで

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LOVEの血中濃度が低くなってる困った、二人とも汚れちゃい

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ここ無一物アイランド矢印の方角いかつい男も無一物

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第4章 4月1日より30日 60首

ロシアによるウクライナ侵略、長期化の兆し。国際社会なんて何もできないものなのだなと痛感。戦争のせいで諸物価高騰、円安に歯止めかからず、日本経済の衰退も戦争のせいで顕在化。2月半ばから続いたイオン青山店への応援は4月末で終了、結構な徒労感が残る。退院し自宅療養中の母は徐々に回復気味だが、骨折以前からの衰えは少し加速気味。桜満開に合わせ木内くん写真を撮りに来県、良い写真を氏のブログに掲載中。離人癖というべき症状が、暮らしの中で頻繁に表れる。おかしなことだが夢の中でも同じ経験を幾度も。どこかが大きく病んでいるのかもしれず。

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一体何を見せ合うのだろう水棲警官同士いがみあってる

子どもたちを逃がすには奇っ怪な武士ごっこ変装し有耶無耶にもし

 

第5章 5月1日より31日 62首

ロシアvs.ウクライナ戦争は膠着状態。ロシア軍首都キーウ陥落作戦を放棄、東部戦線で攻勢、マリウポリを奪取など。知床観光船沈没事故、会社のずさん運航が問題に。新型コロナ、患者数は日々全国で2・3万人だが、withコロナ政策で徐々に規制は緩和、野球もサッカーも観客数に上限なし。自治会の会長が体調不良で退任を示唆、今後が課題。母のQOLは徐々に上昇だが、逆にわたしの老化現象が顕在してきて、生活全般に支障が。水原紫苑の多作は続き、過去の歌集の本歌取りまでなかなかできず。

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鉄道乗り放題な人生ずっとわたしは気にせず鮒釣りに

貯金箱は一杯だし暖かい国へ行こう、そこでたんとのけぞり

全部受験生が奪ったただ一語以外は「自由で困るが」以外は

あまた勇者たちワニに襲われ喰われ、要らぬ時計でダムが埋まると

ぬめり伴う恋なので真面目な人お断り、大勢は船を降り

夜になると宇宙戦艦、悲劇的な結末でよい気高くあれば

鬼さんこちらに文学好きがいる、追いかければまた悩み出し楽し

〈His Mastie's Voive…〉呪術師と衛生兵と発進あなたの声で

夕刻を過ぎれば損害賠償、廃墟みたいな庁舎に並ぶぼくも

「わたしには甘くないほうを」でもクレープ大きめクリーム多めで

決めましたわたしエネルギー多めの人に食い込み太陽みたいに

紙粘土でこしらえ砂に彩色、賢者よどこを見ているドラマの 

クッキングの合間に事件が、罰ゲームで押し倒され胡椒まみれで

宅急便が来た「次の荷物は重い」埋もれぬ理由を探しあぐねて

馬鹿な王がいて埴輪ひきいて死後の国を攻めたがる、土の剣で

皆こんな奴の手下なのかダメ人間か、広い広い兄貴よどこへ

見よ新しい人よ俺さまの激しさを、花散らす振りで威嚇し

わが友丸出だめ夫を叩くサランラップの芯で、人生末期に

うんとお婆さんになり皆を困らせでも正直な爺さんもいい

 

第6章 6月1日より30日 60首

関東甲信で27日梅雨明け、新潟県も翌日に梅雨明け、どうなってんだか。バカ暑い夏がもう来てしまった。プロ野球セ・リーグヤクルトスワローズ6月で独走状態、これでクライマックスで負けたらそれもいい。小田嶋隆氏死去,もっと活躍してほしかった。諸事値上げの季節、豆腐のサイズが小さくなったり、カップラーメンが140円だったりと驚き。自治会会長が8月一杯で辞めることに。新役員リクルートで各役員が東奔西走したが、残念今のところやってくれる人は見つからない。母の体調は徐々に良くなっているが、その分、バッティングする場面が増える、わたしがもう少し自重すべきだが、それがなかなか難しい。わたしも老いを感じている、忘れ物(物理的にもオツムの中でも)多く、自分に愛想が尽きそう。

鉱物の神さまも穀物の神さまも飛んでいってどうにでもなれ

いつの間に敗者復活ここにこやかな人ばかりで判定を待つ

ソテーブイヨン僕たちは古代人を愛して止まず、噛みつかれても

昆虫の目を見て話す聖フランシス、カナブンおまえ切ないのだね

「むろん神だって出来たてだった頃もあろうに」老夫忘れ癖つよし

伊豆安房常陸佐渡隠岐土佐ならばみやげに魚介いまだ届かぬ

原始的な呪術で人がころり騙され駆ける、健康な人よ去るべし

快感を可視化してますあなたには「美少年」どうぞ、焼酎ですけど

奇妙な我慢比べが終わった、友よ家電製品使えぬまま逝け

救命具を貸してあげよう、鼻水みたいな魂で楚々と行くべし

子どもたちは飛び越えてゆく大胆にお喋りの木もバイバイの木も

赤い帽子もお靴も欲しいよと進化論、戻れなくなってでも

悪い噂討伐隊に問い詰められた「風は元気」と呟くだけで

「朝起きたら毒虫だった女学生のドラマです」特撮で稼ぐ

ここまで来て僕は大いに多機能もう怖くない、黒い服を脱ぐ

お月様が泣いてました「あの人たちを襲うのですね」はいと陽気に

気付かれぬよう死にたし霊となって臨時ニュースに取り上げられたし

違う誰かの命令です「時よ止まれ」と、職場ではすぐ眠くなる

「遅いですよウルトラ星人」まず間違い探しで適性を見る

わざと遠く地球儀を置き説教、また負けたのだねショック療法を

夥しき死を歌うべしヘビーメタルさん、いつまで味方か知れぬが

新聞を破った「大切なことが省かれている」テレビ欄は無事で

死を思い交番へ行け、退屈な思想調査ののちは激務で

「聞いてよパパ!裏切り者がいる」ごめん本当の自分は勘が鈍くて

退屈がる人をあの世へ渡す機械、着けばすぐ散るようにできている

内側に天敵がいる「良いことを教えよう」苦い午後になるか

木の実くんはもっと凄い、アメコミに心奪われ「卑屈になるな」と

男たちはみな死ぬ、罠に気づかぬ臆病なわたしだけがショックで

草刈りも不寝番も平等だから個々に死ねず、午後五時までは

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じっとしていると死んだ子か分かぬという、だったら騒げ子らよ最も

あの子ら劣化ウランの児しらぬま証拠隠滅、アトムよもっと恥ずべき

空腹は慣れている規則正しい暮らしは不向き、鳥や犬と遊ぶ

ヒマワリは明日戦うだろうか、風に吹かれ波消しブロックで待つ

わざと感じ悪くみせてるのかも保護色にして「ところであなた出番は」

寂しい人ら集い違った広場で混声合唱、聞いてどうなる

母校では役立たずとかどうすんのとか、閉ざさずに守っていきたい

スポンジ共和国による独自の制裁、もっと色っぽい石鹸で

六月六日の参観日、元気な子から密林にゆくその入り口は

社歌ですみな真面目に歌います歌えぬ人は引き離されて

そうか君もかズボン下げられ姫君に「絶好な奴め」と叱られ

悲しいならジーンズ履き替え自由なおっさんに、びっくりな明日を

殺される殺されるぞBangここでか!次は自動で急所叩いて

明るい記事の人だねあなた「自分で船を動かしたんです」だったら

実践編です「やられたらやり返せ」あっぱれ全能の人が小声で

ガンジーという名の子牛きみの祖先は時給千円慌てずにすむ

死んだ兄に似た徳利急須、似てない民主主義どうしても壊れずに

「恋は自動ボーナスは等身大です」もっと威勢のよい子はおらぬか

「誰も何も知りはしないよ父さん」だからネガティブな星に願いを

泡立て器が奥まで侵入「ミルクと呼んで」いいのか押し込まれても

こうすれば見えぬ閉めておけばよい「誰もが恋人」のわけもないので

身振り手振り反論くまモン熊襲は国のまほろ熊襲うるわし

仏法僧ぶっぱなそうぜ物騒な乗り物に取っ手がついている

「手こずってばかり生きるのが嫌に」それもよい一番強いものが残る

うんだからさ違うんだ「先に来た人が勝ち」なだけ、宇宙残念

何度も呼び止められその都度アンケート、暮らしやすそうな街なのに

おかしな国から仕返しに来た、みなを掃除機で吸い込み犬にすると

取扱注意な玉手箱に鍵をかけ夢は見ず、早起きがよい

変更を受け入れ「我慢してくれないか」笑われても言い訳はせず

最強の昆虫採集、腕の長い少女がじわり最後に笑う